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【巻末エッセイ】レーモン・ルーセル「ロクス・ソルス」岡谷公二訳(平凡社ライブラリー)

「ルーセルと音楽」 「レーモン・ルーセルは音楽をやっていて、ピアノを弾き、歌も歌いました」と、ミシェル・レリスは語っている。「父も歌が大好きで、ルーセルが伴奏することもありました。二人は順番に歌っていました」(『レーモン…

新国立劇場 ヴェルディ「マクベス」公演プログラム(2004年5月)

男の野望、女の野望 元ユーゴスラヴィア(現セルビア=モンテネグロ)共和国大統領ミロシェヴィッチの夫人ミリャナ・マルコヴィッチは、「ベオグラードのマクベス夫人」と呼ばれた。『独裁者の妻たち』の著者ヴィントガッセンは、「彼女…

【特集】「私の枕頭の書」(文学界 2004年6月号)

リヒテルの耳 ベッドで『リヒテル』(B・モンサンジョン)をぱらぱらめくっていたら、こんなくだりにぶつかった。 一九七一年二月某日。シューマン『ピアノ四重奏曲変ホ長調』作品七七。演奏はパレナン弦楽四重奏団とピエール・バルビ…

【特集】「いま、幸福な男の資格」(BRAVO! Business FRAU増刊号 2004年4月10日号)

妻にする女、愛人にする女、部下にする女 妻にするなら・・・世話好きがいい。女性は、二種類に分かれるようだ。男姓の世話を焼くのが好きという人と、めんどくさいという人。 いささか古くなるが、桐島洋子の『聡明な女は料理がうまい…

【巻末エッセイ】「黄金仮面」(光文社文庫 江戸川乱歩全集 第7巻)

異邦人(又ハ:気持ち悪いもの大好き) 昔から、気持ち悪いものが好きだった。母と一緒に買い物に行くと、漢方薬のショーウィンドーの前で動かなかったという。サルの頭の黒焼、乾燥イモリ、マムシの焼酎漬け。 本業のドビュッシー研究…

【読書日記】「なぜそんなに痩せたいの?─「美人」になりたい女の社会心理学」(日刊現代 2003年7月31日)

7月×日 取材でパリに行ったら、御馳走つづきですっかり肥ってしまった。帰国後、朝晩200回腹筋をしているが、ウェストが元に戻らない。 不思議なもので、いつもより肥っていると、とても不幸になる。反対に、朝起きて普段はきつい…

「Merdeなお掃除問題」(ふらんす 5月号)

フランス語、始めたのは早かったんです。芸大の附属高校というところに入学したんですが、ここは「演奏家の卵」養成所でして、在学中に留学したり国際コンクールを受けたりする生徒もいるぐらい。 何と、1年生から第2外国語がありまし…

「ラローチャ有終の美」(朝日新聞 2003年5月15日朝刊文化面)

海外ツアーをやめると表明したスペイン生まれの名ピアニスト、アリシア・デ・ラローチャが、日本各地で「さよならコンサート」を行っている。11日に愛知県の豊田市コンサートホールであった演奏会を、ピアニストの青柳いづみこさんに評…

「書評とコンサート評」 (學鐙 2002年10月号)

四月から朝日新聞の書評委員をつとめている。レギュラーではないが、同じく朝日の朝刊文化面でも、クラシックのコンサート評を二本ほど書いた。同じ評のようだが、この二つの作業は、実はずいぶん違う。 書評の場合は、基本的に共感した…

「ヴぃた・読書ありす」(新潮 2002年4月号)

本は、気がついたらそこにあった、としかいいようがない。私のこれまでの人生のどの局面についてもいえることだが、読書に関しても、全くの受け身である。 数年前、ある友人に神田神保町の出版社を紹介してもらった。待ち合わせ場所とし…

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