【コンサート評】「うたうリスト」岩手日報 2012年1月9日

声で美しい旋律表現

「ピアノの魔術師」と呼ばれる名演奏家であり、多数の名曲を残したロマン派の作曲家としても知られるフランツ・リスト。人間の声でその美しい旋律の魅力に迫る意欲的な演奏会「うたうリスト」を、ピアニスト青柳いづみこが企画した。

主役はオペラなどで幅広く活躍するバリトン和田ひできと、本絡的な演奏会は今回が初めてという東京芸大大学院1年の新星カウンターテナー村松稔之。アルトの声域を歌う村松の声はあまりにも個性的で理解者が少なく苦労も多かったというが、清涼な水のような歌声は確実に人をひきつける。

編曲でも才能を発揮したリスト。村松は、ショパンの歌曲をオリジナルのポーランド語で歌うなど、天から降るかのような伸びやかな歌声で爽やかに新たな魅力を表現し、会場を魅了した。 フィギュアスケートの浅田真央らが競技で使用した女性的でロマンチックなピアノ曲「愛の夢」も、原曲は自作の歌曲「おお、愛しうる限り愛せ」。和田の力強い歌声に驚いたが、その歌詞が「あなたを本当に思う人を、愛せるうちに愛せ。その人が死んでからでは遅いのだから」と尻軽娘を諭す内容だと知り、納得した。

「体が楽器」の歌手は、ベテランの味も評価される演奏家に比べピークが早い。20代の村松も、そのうち絶頂期が訪れるだろう。最高の声を、たくさんの人に聴かせてほしい。若手に活躍の場が広く与えられることを祈りながら、拍手を送った。(朗)

※信濃毎日新聞夕刊2011年12月28日、徳島新聞2012年1月7日にも同じ記事が掲載されています。

うたうリスト
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