「交遊録 気さくなプリマ」(日本経済新聞 2011年5月28日 朝刊)

テレビ神奈川『佐藤しのぶ 出逢いのハーモニー』に出演することになった。ソプラノ歌手の佐藤しのぶさんが各界からゲストを招き、音楽を交えて綴るトーク番組である。 

しのぶさんとのご縁は一九八八年に遡る。といっても一方的なのだが、その年、私が研究するドビュッシーのオペラ『ペレアスとメリザンド』が上演され、しのぶさんが主役を歌われた。 私はプログラムに執筆を依頼されたのだが、何の因果か、公演当日は同じ会館の小ホールで自分のリサイタルがあり、伺えなかったのである。

そんな思い出話をしたらしのぶさん、「そのころ私はとても肥っていて」と打ち明ける。「妖精のようなメリザンド役は合わないので、衣裳係が一生懸命細く見えるドレスをつくって、照明をうんと暗くして・・・」。 現在のしのぶさんはとってもスリムで、ミニスカートからのぞく脚線美がまぶしい。 

オペラ歌手として初めて紅白に出演したときのエピソードもおもしろかった。「翌日から一躍有名人になって」と言うからどんなすごい話かと思ったら、「近所の豆腐屋さんが油揚げをおまけしてくれた」そうな。 日本が誇るプリマなのにとても気さくで、ますますファンになってしまった。

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