【CD評】「やさしい訴え ラモー作品集」音楽現代 2005年11月号 評・横島浩

推薦 デュランと息子社から刊行されたラモー全集を監修したサン=サーンスは、ラモーの作曲様式についてこんなことを述べている。不均衛・不器用であるが、未熟な芸術家が犯すものと全くことなり、音楽の進歩にともない耳が要求するものから独立した、ある特殊な法則にしたがって創作した・・・。

このCDで聴くことができるクラヴサン用小品は、どれもことごとく面白く素敵だ。ピアノを弾く青柳いづみこは、ラモーの「不均衡な様式」をフランス・バロック様式成熟の一場面として表現しているというより、その様式を少女のように自然に受け入れ感興の赴くまま表出しているようだ。

「鳥のさえずり」でのアッチェレランドは様式の不均衡を埋め合わせるべく計られたものではなく、「ひとつ目巨人たち」の主的副的楽想が連続する不均衡をクラヴサン奏者たちのようにアゴーギグの多用で均衡化しない。高貴な音色を保ちつつラモーの面白さが味わえる作品集。次回はどんなCDが飛び出すかも楽しみ。

やさしい訴え ~ラモー作品集~
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