【CD評】「ドビュッシーの時間」ぶらあぼ 2008年5月 評・伊藤制子

新譜ぴっくあっぷ

「音楽は色彩と律動づけられた時間からできている」というドビュッシーの言葉に導かれ、青柳いづみこがリリースしたのは、最晩年の傑作『12の練習曲』を含むドビュッシーのアルバム。1977年に初めて出版された『忘れられた映像』とおなじみの名曲『版画』も合わせて収録されているが、両者は音楽的発想やモチーフの借用などで深いつながりのある曲同士。

青柳のピアニズムは、ドビュッシー作品の的確な理解のもと、変幻自在な色彩の妙味や時間の流れを巧みに表現している。そのタッチはむしろクリアで強靭。時にきらめきを感じさせる。

『12の練習曲』は、ショパンのエチュードと同様、種々の技法のオンパレードである。どれもフランス近代のピアノ曲を弾くには不可欠な技巧だが、はっとさせられるようなモダンな響きにも事欠かない。またドビュッシーが愛したクラヴサン的な技巧も随所にちりばめられている。「8本指のための」は、クラヴサンに見られる手の交替の技法も含むが、軽やかで典雅な演奏。すばやい連打による「反復音のための」や「装飾音のための」でも、18世紀ロココを思わせるクラヴサン的な響きが広がる。

青柳自身による曲目解説も簡潔にして的確。学ぶところが多い。

ドビュッシーの時間
CD詳細▶

*CDランダム5枚*

新メルド日記
CD紹介TOP

CD関連記事 ランダム5件

Pick Up!

CDのご注文(送料無料)

サイン入りCDをご希望の方

ご希望の方には、青柳いづみこサイン入りのCDをお送り致します。
ご注文フォームに必要事項をご記入の上お申し込みください。
お支払い方法:郵便振替(手数料は負担いたします)

Top