【CD評】「ドビュッシーの神秘」朝日新聞 2012年9月3日

ドビュッシーの実り 印象主義に収まらず

ドビュッシー生誕150年の実りはますます豊か。そのピアノ音楽の代表作「前奏曲集」第1巻と第2巻が、3種の演奏で登場した。どれも個性的だ。リュビモフ(ECM)は1913年製造のスタインウェイを使用。歴史的楽器ならではの鮮やかな響きのパレットを駆使する。絵の具がまだ乾ききらない、完成したての絵画のような新鮮さ。併録の「夜想曲」「牧神の午後への前奏曲」2台ピアノ版も発見の連続だ。

あと2枚は現代ピアノ。エマール(グラモフォン)は精緻なアナリーゼと統御された音響で、20世紀の古典としての均衡のとれ
た姿を。

一方カシオーリ(デッカ)はデジタルとアナログ、2種の録音方式を曲により便い分け、作曲者が求めた響きに執拗なまでに没入する。

日本からも、「前奏曲」第2巻に秘曲や再構成作品を加え、ドビュッシーの秘教的側面に迫る青柳いづみこのアルバム「ドビュッシーの神秘」(カメラータ)が出た。青柳の師・安川和寿子による、解釈の背骨が一本通った、しなやかな体躯の歴史的全集も復活したばかり(ビクター)。百花繚乱のドビュッシー演奏を聴いていると、その音楽が過去、同時代、未来、さまざまな方角に向かう広大な可能性を持っていることに気づかされる。とうてい「印象主磯」の一言には収まらないのだ。(矢)

ドビュッシーの神秘
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