【書評】「六本指のゴルトベルク」MOSTLY CLASSIC 2009年6月号

師 安川加壽子の評伝『翼のはえた指』で吉田秀和賞を受賞するなど文筆でも活躍する著者の最新刊。音楽好きと文学好き両者を満足させる読書案内だ。

表題は第1章「打鍵のエクスタシー」で取り上げるトマス・ハリス著『羊たちの沈黙』による。その登場人物ハンニバル・レクター博士は左手の中指が2本ついていた。レクター博士がグレン・グー ルドの弾く『ゴルトベルク変奏曲』を聴くシーンがあるが、「『ゴルトベルク』の構造が彼の興味をひく」といった記述から、1981年盤と推測するのが、ピアニストの著者らしい(グールドの『ゴルトベルク』にはもう一つ、55年盤があり)。また、第27章「長い長い物語」では、『海辺のカフカ』などを取り上げて村上春樹のシューベルト論が紹介される。そして、「村上作品というのはひとつひとつも長いけれど、それじたいで完成しているというよりは、むしろ集積としてとらえる必要があるのではないか」という。

取り上げられている本は奥泉光著『鳥類学者のファンタジア』、 小川洋子著『余白の愛』など日本人作家、ポーラ・ゴズリングのハードボイルド『負け犬のブルース』や古典のトルストイ『クロイツェル・ソナタ』など幅広い35作。

六本指のゴルトベルク(単行本)
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