【書評】「ピアニストが見たピアニスト」文藝春秋 2006年1月号 評・恩田 陸(作家)

今月買った本 第47回

コンサート・ピアニストがこの世にどれくらい存在するのかは知らないが、『ピアニストが見たピアニスト』を読む限り、とてつもなく恐ろしい商売であることは確かである。凄まじい記憶を誇ったリヒテルですら、晩年は譜面を忘れる恐怖から逃れられなかったし、ルービンシュタインは譜面が思い出せずに同じ箇所をくり返して弾いた。年々完璧主義になり、自縄自縛に陥るミケランジェリ。

ソロを弾かないアルゲリッチ。名だたる天才たちが孤独や恐怖と戦いながら演奏するさまを、彼らのテクニックや性格を分析しながら同業者が描く筆は非常に緻密でスリリングだ。筆者はそれでもなお、「演奏家は不安だからいい演奏ができるのだ」というアラウの言葉を引いている。天才とは何か? 至高の音楽とは?

とても読みごたえのある、音楽好きでなくとも面白い一冊。(以下略)

ピアニストが見たピアニスト—名演奏家の秘密とは(単行本)
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